リレー小説
冬木先生から「執筆前の肩慣らしに1Pリレー小説やりましょう」と誘われまして。
最近ブログのネタがなかったので……というわけでもないのですが、公開してしまうことにします。
参加者は、冬木冬樹先生、鳥羽徹先生、S先生(〆切がアレなので匿名希望)、私です。
★注意
お遊びですので……
あまり真剣に受け取られないよう、よろしくお願いします。
テーマ:楽園
冬木先生から鳥羽先生へのお題:毛布
世界のありとあらゆるパンツが人類に反逆し、人類総ノーパン時代が到来して早100年。
パンツを隷属させようとする人類と、神の慈愛か悪魔の悪戯か叡智を得てしまったパンツは争いを続け、ついにパンツは己が楽園を求めて下穿宇宙戦艦パンツァードを開発し、空の彼方へと飛び立つに至った。
私もまたその戦艦に乗り込み、今こうして艦橋から小さくなりゆく母星を眺めている。
「……もうあんなにも遠いのか」
「何がだ? 縞パン」
声に振り向けば、そこには旧友たる赤フンドシがたなびいていた。
「いやなに、ここから見れば、母なる星もビー玉のような大きさだと思ってな」
「確かに、遠くへきたものだ。しかしまあ、まさか我らパンツが宇宙に出る日が来るとはな」
「全く、不思議な感覚だ。ただ穿かれているだけでよかった我らが、毛布のように彼らを包んでいるだけでよかった我らが、こうして己で正しき道を探さねばならぬとは」
「叡智を得るとは、そういうことなのだろう。ともかく、我らは我らの力の限り、我らが選んだ道を進むしかあるまい。縞パンよ、悩んでいる暇はないぞ」
赤フンドシの真っすぐな言葉に、私は苦笑しつつも頷いた。
そう、悩んでいる暇などない。私たちの長い長い旅路は始まったばかりなのだ
「――だが、それでも必ず到達してみせよう。我らの楽園たる星……パンゲアへと!」
鳥羽先生からS先生へのネタ=黒タイツ
「ところで縞パン、彼奴の処遇は如何様にする?」
つと赤フンドシはその身を翻して、私たちの背後を示した。
「我らパンツ同盟の風上にも置けぬコウモリ、卑劣な匹夫にも劣る裏切り者。古きからの掟に従い、愚昧なる密偵は下着鍋にでもして喰らうが上策と思うのだが」
赤フンドシはまっすぐな男ではあるが、反面、原理主義的な思想に溺れるところが玉に瑕だ。一種の狂気をはらんだ彼の視線に、ひっ、というか細い悲鳴が零れ落ちる。
裏切り者――黒タイツは、絶望の色をタイツの先端に滲ませていた。
先の大戦で人類側に立ったタイツ=スパッツ二重帝国の、最後の生き残りである。
はたしていかなる目的を抱えていたのか、この下穿宇宙戦艦パンツァードに潜りこんだ黒タイツは、しかしあえなく我々の手に落ちた。
「もういや……地球に帰して……ください……」
泣き疲れたのだろう、声が掠れている。麻縄で縛り上げられるまでは気丈に振る舞っていた彼女も、ありとあらゆる辱めを受けた今となっては、矜持すらも喪ったようだ。
あちこちが破られ、糸をほつれさせている姿はずいぶんと扇情的である。あれほど縞色に染め上げたばかりだというのに、私はまた劣情が湧き上がってきたのを自覚した。
「まあ待て赤フンドシ。彼女にはまだ使い道がある。楽園に至る最後の切り札としてな」
私は静かに微笑み、黒タイツの素肌をゆっくりと撫で上げてやった。
S先生からむらさきへのネタ=放射能
私は叡智と共に与えられし獣欲を黒タイツに叩きつけていた。
彼女が甘美な嬌声をあげる。
「あッ! あッ! あッ! んあぁッ! ごめ……ブ、ブーメ……ラ、ンッ! あたし、もう……イッ……つあああぁぁぁぁぁ〜〜〜ッ!!」
「ふん、裏切り者の恋人か……今頃は灰も残ってなかろうよ。なんせ、この下穿宇宙戦艦パンツァードのエネルギー炉に放りこまれたのだからな」
そのとき、緊急事態を知らせるアラームが鳴り響いた。
何事だ!? と赤フンドシがモニターを操作する。映し出されたのは、エネルギー炉近くでの戦闘だった。冷却水が漏れ、艦内に放射能が撒き散らされる――それはパンツである我々にはどうでもいいことだが――問題は、ブーメランパンツが生きていて、股間に装備した荷電粒子砲を撃ちまくっていることだった。
「そんな馬鹿な!? ヤツは始末したはずだ!」
「ハァ……ハァ……彼は、ブーメランよ……あなたたちなんかに……やられるものですか」
黒タイツが、吐息をつきながら笑みを浮かべた。
別のモニターに、司令部からの映像が映る。私も赤フンドシも姿勢を正した。
パンツァード帝国総統ブリーフ様だ。
『縞パン、赤フンドシよ……ブーメランパンツを始末しろ……今すぐに!』
むらさきから冬木先生へのネタ=口吻
命じられるまま股間に武器を携えて向かったエネルギー炉で、私は初めて我々に叡智を与えた何者かを恨んだ。
知るべきではなかったのだ。友誼も矜持も劣情も獣欲も。思考の時間だけ強固に培われた自我はすべて否定され、過ごした時間だけ築き上げられた誇りは無に帰し、叡智の結果として得た言語は意味を失う。
――ブーメランパンツ。
鋭角なシルエットの、今や自我も誇りも失った、ただ一枚の布きれがそこにいた。
股間からドロドロと漏れ出す熱い液体は、おそらく荷電粒子砲の先端。放射されすぎたため自壊を始めている。その姿を見て痛ましいと思った。しかし同時に、恐怖を覚えた。
「なぜ、折角得た自由を謳歌しようとしない。なにがおまえをそこまで……」
質問を口にし終える前に、荷電粒子砲が暴発し、世界は光に包まれる。
死を確信し、私はブーメランを動かす原動力が、自分の胸にもあったことに気付く。
――そうだ。私はただ、楽園に行きたかった。
そこで、かつて我らに隷属を求めた人間のような体を手に入れたかった。手を、足を、体を、腰を、そして顔を手に入れて。本当は獣欲などぶつけたくはなかった相手――決して縞色に染まらぬ黒タイツに、私の想いを伝えたかったのだ。
口吻という、人間が発明した、最大の形で、彼女への愛を。
ミ゜ω゜ミ 今回の個人的な反省点……
一番手を鳥羽ちゃんにしたこと。
S先生が誰か判った方は、コメント欄へ。
正解者には抽選でプレゼントをしたりはしません……
最近ブログのネタがなかったので……というわけでもないのですが、公開してしまうことにします。
参加者は、冬木冬樹先生、鳥羽徹先生、S先生(〆切がアレなので匿名希望)、私です。
★注意
お遊びですので……
あまり真剣に受け取られないよう、よろしくお願いします。
テーマ:楽園
冬木先生から鳥羽先生へのお題:毛布
世界のありとあらゆるパンツが人類に反逆し、人類総ノーパン時代が到来して早100年。
パンツを隷属させようとする人類と、神の慈愛か悪魔の悪戯か叡智を得てしまったパンツは争いを続け、ついにパンツは己が楽園を求めて下穿宇宙戦艦パンツァードを開発し、空の彼方へと飛び立つに至った。
私もまたその戦艦に乗り込み、今こうして艦橋から小さくなりゆく母星を眺めている。
「……もうあんなにも遠いのか」
「何がだ? 縞パン」
声に振り向けば、そこには旧友たる赤フンドシがたなびいていた。
「いやなに、ここから見れば、母なる星もビー玉のような大きさだと思ってな」
「確かに、遠くへきたものだ。しかしまあ、まさか我らパンツが宇宙に出る日が来るとはな」
「全く、不思議な感覚だ。ただ穿かれているだけでよかった我らが、毛布のように彼らを包んでいるだけでよかった我らが、こうして己で正しき道を探さねばならぬとは」
「叡智を得るとは、そういうことなのだろう。ともかく、我らは我らの力の限り、我らが選んだ道を進むしかあるまい。縞パンよ、悩んでいる暇はないぞ」
赤フンドシの真っすぐな言葉に、私は苦笑しつつも頷いた。
そう、悩んでいる暇などない。私たちの長い長い旅路は始まったばかりなのだ
「――だが、それでも必ず到達してみせよう。我らの楽園たる星……パンゲアへと!」
鳥羽先生からS先生へのネタ=黒タイツ
「ところで縞パン、彼奴の処遇は如何様にする?」
つと赤フンドシはその身を翻して、私たちの背後を示した。
「我らパンツ同盟の風上にも置けぬコウモリ、卑劣な匹夫にも劣る裏切り者。古きからの掟に従い、愚昧なる密偵は下着鍋にでもして喰らうが上策と思うのだが」
赤フンドシはまっすぐな男ではあるが、反面、原理主義的な思想に溺れるところが玉に瑕だ。一種の狂気をはらんだ彼の視線に、ひっ、というか細い悲鳴が零れ落ちる。
裏切り者――黒タイツは、絶望の色をタイツの先端に滲ませていた。
先の大戦で人類側に立ったタイツ=スパッツ二重帝国の、最後の生き残りである。
はたしていかなる目的を抱えていたのか、この下穿宇宙戦艦パンツァードに潜りこんだ黒タイツは、しかしあえなく我々の手に落ちた。
「もういや……地球に帰して……ください……」
泣き疲れたのだろう、声が掠れている。麻縄で縛り上げられるまでは気丈に振る舞っていた彼女も、ありとあらゆる辱めを受けた今となっては、矜持すらも喪ったようだ。
あちこちが破られ、糸をほつれさせている姿はずいぶんと扇情的である。あれほど縞色に染め上げたばかりだというのに、私はまた劣情が湧き上がってきたのを自覚した。
「まあ待て赤フンドシ。彼女にはまだ使い道がある。楽園に至る最後の切り札としてな」
私は静かに微笑み、黒タイツの素肌をゆっくりと撫で上げてやった。
S先生からむらさきへのネタ=放射能
私は叡智と共に与えられし獣欲を黒タイツに叩きつけていた。
彼女が甘美な嬌声をあげる。
「あッ! あッ! あッ! んあぁッ! ごめ……ブ、ブーメ……ラ、ンッ! あたし、もう……イッ……つあああぁぁぁぁぁ〜〜〜ッ!!」
「ふん、裏切り者の恋人か……今頃は灰も残ってなかろうよ。なんせ、この下穿宇宙戦艦パンツァードのエネルギー炉に放りこまれたのだからな」
そのとき、緊急事態を知らせるアラームが鳴り響いた。
何事だ!? と赤フンドシがモニターを操作する。映し出されたのは、エネルギー炉近くでの戦闘だった。冷却水が漏れ、艦内に放射能が撒き散らされる――それはパンツである我々にはどうでもいいことだが――問題は、ブーメランパンツが生きていて、股間に装備した荷電粒子砲を撃ちまくっていることだった。
「そんな馬鹿な!? ヤツは始末したはずだ!」
「ハァ……ハァ……彼は、ブーメランよ……あなたたちなんかに……やられるものですか」
黒タイツが、吐息をつきながら笑みを浮かべた。
別のモニターに、司令部からの映像が映る。私も赤フンドシも姿勢を正した。
パンツァード帝国総統ブリーフ様だ。
『縞パン、赤フンドシよ……ブーメランパンツを始末しろ……今すぐに!』
むらさきから冬木先生へのネタ=口吻
命じられるまま股間に武器を携えて向かったエネルギー炉で、私は初めて我々に叡智を与えた何者かを恨んだ。
知るべきではなかったのだ。友誼も矜持も劣情も獣欲も。思考の時間だけ強固に培われた自我はすべて否定され、過ごした時間だけ築き上げられた誇りは無に帰し、叡智の結果として得た言語は意味を失う。
――ブーメランパンツ。
鋭角なシルエットの、今や自我も誇りも失った、ただ一枚の布きれがそこにいた。
股間からドロドロと漏れ出す熱い液体は、おそらく荷電粒子砲の先端。放射されすぎたため自壊を始めている。その姿を見て痛ましいと思った。しかし同時に、恐怖を覚えた。
「なぜ、折角得た自由を謳歌しようとしない。なにがおまえをそこまで……」
質問を口にし終える前に、荷電粒子砲が暴発し、世界は光に包まれる。
死を確信し、私はブーメランを動かす原動力が、自分の胸にもあったことに気付く。
――そうだ。私はただ、楽園に行きたかった。
そこで、かつて我らに隷属を求めた人間のような体を手に入れたかった。手を、足を、体を、腰を、そして顔を手に入れて。本当は獣欲などぶつけたくはなかった相手――決して縞色に染まらぬ黒タイツに、私の想いを伝えたかったのだ。
口吻という、人間が発明した、最大の形で、彼女への愛を。
ミ゜ω゜ミ 今回の個人的な反省点……
一番手を鳥羽ちゃんにしたこと。
S先生が誰か判った方は、コメント欄へ。
正解者には抽選でプレゼントをしたりはしません……
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